「ネット右翼」に関する社会調査

 インターネットにおける「右傾化」現象に関する実証研究
 http://d-tsuji.com/paper/r04/report04.pdfより

○ ここで、国内的な項目と興味深い相関をみせているのは、「今の政治家には、強い個性やキャラクターが何より重要だ」である。そう思う者ほど、靖国参拝憲法改正愛国心教育などへの賛成度が高い。(p.p.7−8)
○ 身近な人間関係のなかで孤独を感じており、見知らぬ他者を信頼しない者ほど、韓国・中国に対して排外的な態度をとる傾向にあるということだ。韓国・中国への親近感の低い者ほど、親しくつきあっている近所の人の数が少ない。(p.8)
○ 「ネット右翼」は、ネットに特有の現象というよりも、「リアル」と地続きの現象であり、これまでは目につきにくかった「右翼」的な潜在層がネット上で可視化されたものととらえるのが適当かもしれない。(pp.13−14)
○ 「2ちゃんねる」を媒介にした、排外性と攻撃的発言・書きこみの許容との結びつき。それがやはり、日本のネット「右傾化」現象の中核をなしていると言えるだろう。(p.19)

 おおむね日々の実感と一致する。実際、私のリアルの知人でネトウヨ的な考えの人は、他者への侮蔑と自己疎外感が非常に強い場合が多い。
 ただし注意したいのは、「ネット右翼」そのものは量的に取るに足りなくても、潜在的に右傾的意見に迎合しやすい層はかなり多いのではないかということ。報告書の5つの指標のうち1つでも当てはまる者を潜在的「右翼」層とすれば、決して無視できない割合になるはずだ。