2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

就職内定率の現況

この春に卒業予定の高校生、大学生の就職内定率は、前年比で過去最大の落ち込みとなっている。特に、大学生の内定率は、「就職氷河期」と言われた2000年前後を下回り、過去最悪。昨年12月1日時点で大学生約11万2000人、高校生約5万3000人…

所得税増税を断行できるか

税調会長の菅直人副総理兼財務相は「所得税に焦点を絞りながら(議論を)進めてほしい」と指示。所得税の税収増を目指し、まずは、80年代後半から大幅に引き下げられてきた最高税率の引き上げが議論される見通しだ。 (毎日新聞 2010/02/25朝刊) 政府は株…

天皇の「公的行為」と憲法

鳩山内閣は25日までに、外国要人との会見など、天皇陛下の「公的行為」のあり方についての政府見解をまとめた。公的行為は幅広い分野に及ぶため、天皇の政治利用を防ぐための統一的なルールを設けることは「現実的ではない」と指摘。個別の行為の意義や国…

「高学歴ワーキングプア」としての「只野凡児」

昭和二年、蔵相の失言から発した金融恐慌はさらに昭和四年、ニューヨーク株式の大暴落による世界恐慌も波及して不況は深刻になり、同年には「大学は出たけれど」という流行語が生まれた。そのような時代に凡児は大学を卒業し、即、失業者となる。無学の父「…

「秋篠宮と話し合う」

天皇陛下が即位二十年会見で、将来の皇室のあり方について「皇太子とそれを支える秋篠宮の考えが尊重されることが重要」と述べたことには、「真剣に受け止めております。秋篠宮とはさまざまな事柄について話し合う機会がありますし、今後ともそのような機会…

労働力調査2009年平均の概要

http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/index.htm ○ 非正規の職員・従業員は平成15年以降で初めて減少。派遣社員は前年に比べ32万人減少 ○ 「勤め先や事業の都合」による短時間就業(週35時間未満)者は286万人と,前年に比べ80万人増加。また,…

議員の質問「内容」を数値化して報酬を制限するという暴挙

熊本県五木村議会(定数10)は22日、全員協議会を開き、議員の月額報酬の2割を成果報酬とし、一般質問の内容などに応じて3ランクに分けて支給額を決めることで一致した。 (中略) 村議会によると、月額21万3000円の報酬のうち、8割(17万円…

厚生労働省の労働者派遣法改正案要綱

厚生労働省発職0217 第1号 http://www.cwac.jp/blog/files/2r98520000004dcl.pdf

1920年代の「地方分権」論争

地方財政の窮迫にたいする政友会の年来の処方箋は地租移譲論であり、これは田中総裁のもとで両税移譲論へと発展した。 両税移譲論とは、中央・地方の税源配分を根本的に改革し、地方分権の財政的基盤をはかるため、国税の地租と営業収益税をそれぞれ市町村税…

山口二郎の「事業仕分け」批判

「失望の理由はいくつもありますが、主に費用対効果のものさしで政策を切るという考え方と、東京目線が甚だしすぎることかな。政治というのは費用対効果という物差しに合わないことをするためにあるのです。政治的な決断で行う領域の"仕分け"が存在しなかっ…

橋本健二『「格差」の戦後史 階級社会 日本の履歴書』(河出書房新社、2009年)

「格差」の戦後史--階級社会 日本の履歴書 (河出ブックス)作者: 橋本健二出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/10/09メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 90回この商品を含むブログ (23件) を見る 戦後日本の階級構造変遷史。資本家/…

労組が特定政党と結びつくことの功罪

http://www.masrescue9.jp/worker/totsuka.html 労働組合が腐敗する主な原因に「一党支持」があるのではないだろうか。労働組合が政治活動を行うことは大事な役目だが、その本来の意義を忘れ、政党と癒着し堕落した結果が「一党支持」なのだ。その行き着いた…

労働者派遣法改正の骨抜き

社民、国民新両党は、派遣先の責任を強化する規定を設けることなど、より保護を強める方向で修正を求めていた。特に社民党の主張は強く、16日には党首の福島消費者相が記者会見で、党の修正案を発表した。 この日は、社民党の重野幹事長が厚労省の担当者と…

経済同友会による「企業・団体の政治献金禁止」提言の深層

http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2009/pdf/100215a.pdf 各政党が政党から独立した別法人として設立する政党シンクタンクに対してのみ、企業・団体が寄付をできる仕組みを構築する。政党シンクタンクは、政治インフラとしての「政策研究・…

政権交代でますます「密室化」が進む政策決定過程

昨年9月の政権交代以来、政府の審議会の多くが休眠状態にあることが、共同通信の調べで13日分かった。「政治主導」を掲げる鳩山政権が、官僚が舞台回しを担う審議会に距離を置き、在り方を見直しているためだ。 代わりに、各省の政務三役でつくる検討チー…

卓越性の「自覚」と分断の連鎖

「わたしは高等中学六年で中退ですよ。大学を出て予審判事になったポルフィーリーさんのような人に対しては、嫉妬もあるし、悔しさもある。警察署の事務室で召喚状で呼び出された人々の愚痴や言い逃れを聞くという生活を続けていると、事件が起こる度に颯爽…

松井慎一郎『河合栄治郎 戦闘的自由主義者の真実』(中央公論新社、2009年)

河合栄治郎 - 戦闘的自由主義者の真実 (中公新書)作者: 松井慎一郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/12/18メディア: 新書購入: 1人 クリック: 40回この商品を含むブログ (19件) を見る 河合栄治郎の評伝。著者は相当河合に入れ込んでおり、通説で…

小沢一郎のどこが「ハト」なのか?

小泉劇場で「カイカク」という名の悲喜劇が上演された後に、私たちは小沢か小泉かという選択を迫られている。 どちらも選びたくはないという人が多いだろうが、敢えて図式化して言えば、小沢は個人悪であり、小泉(及び竹中平蔵)は構造悪である。そして、東…

あの男が民主党代表になる日

6日で就任2年となった大阪府の橋下徹知事の記者会見を分析すると、(中略)過激な発言が多い一方で、民主党やその閣僚を持ち上げる回数も増えている。 (中略)知事は政党を批判する際は「○○党」と呼び、持ち上げる時は「さん」をつける傾向がある。2年間…

エラスムス『痴愚神礼讃』(渡辺一夫訳、岩波書店、1954年)

痴愚神礼讃 (岩波文庫 青 612-1)作者: エラスムス,渡辺一夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1954/10/25メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見る 世界史の教科書で名前だけは知っていたが、読んでみたらこれがなかなか痛快。500…

「ビジネスの道具としての歴史」と「ナショナリズムの道具としての歴史」のあいだ

加藤 最近いい傾向だと思うのは、日本をどうにか愛したいんだけれども愛し方がわからないがために、手近な国をさげすんだりすることでナショナリズムを守ろうというような動きが収まって、チャイナインパクトで本当に日本が抜かれる瞬間が予想できるように、…