2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

湯浅誠の「地域主権」徹底批判

http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10446403104.html しかし、いまナショナルミニマム(政府がすべての国民に保障する最低限度の生活水準)は、「地域主権」「地方分権」という流れの中で、軽視されています。最近では、地方自治体の仕事の内容や方法を国が…

石川公彌子『〈弱さ〉と〈抵抗〉の近代国学 戦時下の柳田國男、保田與重郎、折口信夫』(講談社、2009年)

〈弱さ〉と〈抵抗〉の近代国学 戦時下の柳田國男、保田與重郎、折口信夫 (講談社選書メチエ)作者: 石川公彌子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 64回この商品を含むブログ (19件) を見る 本居宣長や平田篤胤の…

疎外されし者の「敵意」の行方

あなたがたが私のような大逆犯人の出ることを欲せず、今の社会の繁栄と維持を望まんとするなら、速やかに誤まった権力の行使を改め、民の心を心として、虐げられたる人々を解放し、万民平等の社会の実現に努力せよ、然らざれば我七度生れ変っても、大逆事件…

政府スポークスマンの露悪的発言

http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012601000642.html 平野博文官房長官は26日午後の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先選定をめぐり、地元自治体の合意がなくても「法律的にやれる場合もある」と、法的措置による決着の可能性に…

「事業仕分け」と音楽芸術

東条 今度の事業仕分けの影響も芸術文化振興基金などに出てきました。日本の音楽界に暗雲が漂い始めた感がありますね。自主運営オーケストラにとっても苦しい時代になりそうです。 山田 「東京の夏」も今年で終わりましたしね。 片桐 そうでしたね。今は文化…

「野党内与党」と「翼賛国会」化

http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012501000699.html 7兆2千億円規模の追加経済対策を盛り込んだ2009年度第2次補正予算案が25日夜、衆院本会議で与党と公明党、みんなの党などの賛成多数で可決された。自民、共産両党は反対した。雇用保険法改…

飯田道子『ナチスと映画 ヒトラーとナチスはどう描かれてきたか』(中央公論新社、2008年)

ナチスと映画―ヒトラーとナチスはどう描かれてきたか (中公新書)作者: 飯田道子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/11メディア: 新書 クリック: 8回この商品を含むブログ (22件) を見る 前半はナチス政権下の映画政策の実相(検閲によるランクづけ)…

「自己責任」と「自力救済」のあいだ

http://www.j-cast.com/tv/2010/01/22058512.html 「今の自分は努力しなかった結果だ。つい自分を責めてしまう」「相談すれば負け組になる」「1度でも助けを求めたらそこで終わり」……。「自己責任論」のオンパレードである。 (中略) では、どうすればいい…

歴史叙述における「あるべき民衆像」の押しつけという問題

いうまでもなく歴史学は、あったことを発掘し意味づけ再構成してゆく学問である。民衆の歴史についても、もとよりおなじことがいえる。しかし運動史の自転は、あるべき民衆像の強調に、場合によるとおちいるおそれがなくもない。そのとき歴史叙述は、国民の…

橘木俊詔、山森亮『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』(人文書院、2009年)

貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか作者: 橘木俊詔,山森亮出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2009/11/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 114回この商品を含むブログ (17件) を見る 経済学の橘木と社会政策学の山森の貧困問題に関…

「地域主権」と「改憲」の抱き合わせ

http://www.soumu.go.jp/main_content/000051161.pdf 地方自治法は、厳格な二元代表制を採用しているが、長と議会が対立的な関係になって、住民の意見が適切に反映されず、また、効率的な事務の処理を阻害していることもあるのではないか。地方自治体の基本…

「変革主体」の「条件」

この戦争はどうもおかしいのじゃないかと言っている人が、戦争中にもいたのを、私は知っています。代表的なのはうちの母親で、共産青年同盟に加わっていた夫と一緒に農地解放をやってるうちに自分でも勉強して、町中の鼻つまみになっていた。ただし薬品をた…

坂野潤治編『自由と平等の昭和史 1930年代の日本政治』(講談社、2009年)

自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治 (講談社選書メチエ)作者: 坂野潤治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/12/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (7件) を見る 1930年代半ばの政治言説における「自由」と「平等…

佐谷眞木人『日清戦争 「国民」の誕生』(講談社、2009年)

日清戦争─「国民」の誕生 (講談社現代新書)作者: 佐谷眞木人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/03/19メディア: 新書 クリック: 13回この商品を含むブログ (12件) を見る 日清戦争は東アジア史において近代と前近代を分かつ最も重要なターニングポイントだ…

「希望は火事」だった明治初年の貧困層

されば家に病人の出来るか不具者のありて食うこと能わざるに至れば、ただ世間に火事のあらんことを望むなり。その故は焼け跡に行きて釘を拾い意外の銭儲けあればなり。近来は火事もなきゆえ失望し居るとは世は様々のものなりかし。かかる墓なき社会にてもそ…

深谷克己『江戸時代の身分願望 身上がりと上下無し』(吉川弘文館、2006年)

江戸時代の身分願望―身上りと上下無し (歴史文化ライブラリー)作者: 深谷克己出版社/メーカー: 吉川弘文館発売日: 2006/10メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る 近世身分制における身分上昇願望=「身上がり」の実相を明らかに…

「誤報」と行政不信と社会保障破壊

http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10432612600.html 「今回誤った報道が続いているのは、宿泊施設における管理体制の不備が大きな原因ではないかと推察されます。」 「東京都も努力はされているようですが、こうした管理体制の不備の中で、正確な情報が流…

リベラリズムとコミュニズムは「現在」の矛盾を「現在」において解消できないが故にファシズムに敗北するという指摘

1930年代を例にとります。それは大不況が続き、大量の失業者が氾濫した時期です。この時期に「自由主義」は放棄されてしまいました。(中略)市場経済を放置しておいても、自動的な復原力がない。不況は循環的でなく構造的なものでした。 世界的に見て、…

西川祐子『日記をつづるということ 国民教育装置とその逸脱』(吉川弘文館、2009年)

日記をつづるということ―国民教育装置とその逸脱 (ニューヒストリー近代日本)作者: 西川祐子出版社/メーカー: 吉川弘文館発売日: 2009/05/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (6件) を見る 何らかの歴史事象を分析するための歴…