「多文化・多民族・多国籍社会で『人として』」へのコメント

http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2008/11/post-bccc.html?cid=33977910#comment-33977910

 弊エントリのご紹介ありがとうございます。

 昨今の「貧困と格差」を批判する言説において、「性差」や「民族差別」の問題は弱点になっているのではないでしょうか。「性差」に関しては、貧困層の男からすると(というか私も統計上は貧困層なのですがw)、とにかく自分の生活の安定を望むなら、従来の「男=稼ぐ人、女=家事をする人」という性別役割分業を復活させた方が、「雇用のイス」が増える気がしてしまう。おのずと女性の貧困は軽視される傾向があります。ここがアキレス腱ですね。

 民族差別の方も生存権の根拠を「国民」であることに求めている限り、日本国籍でない人々はないがしろにされてしまいますね。私は「大きな政府」「福祉国家」を望み、社会保障行政を拡大して公務員も増やせとよく主張していますが、実は常にそれが国家の国民統合に回収される危険性は感じています。それでもほかに貧困解決策が思いつかないので、危険を感じつつ主張しているところです。だから例の「佐藤優現象」でも、御都合主義で定見のない佐藤本人は論外ですが、左翼系文化人の一部がある種の「国民主義」に傾く気持ちはわかるのです。ただここもはっきりさせないと、そろそろ危ないのは確かですね。

 このあたりの問題は私の手には負えないので、いつも仲さんの記事は勉強になります。