政権交代でますます「密室化」が進む政策決定過程

 昨年9月の政権交代以来、政府の審議会の多くが休眠状態にあることが、共同通信の調べで13日分かった。「政治主導」を掲げる鳩山政権が、官僚が舞台回しを担う審議会に距離を置き、在り方を見直しているためだ。

 代わりに、各省の政務三役でつくる検討チームや法令上の根拠がない私的諮問機関が乱立。政治主導への転換は進んだが、原則公開の場で多様な意見を聴くとしていた審議会の機能停止で、政策決定の透明性が後退したとの批判も出そうだ。 (共同通信 2010/02/13 17:39)

 ただ、審議会は各業界の利益代表を束ねる意見調整の場として機能してきた側面がある。原則公開され、議事録や資料はだれでも入手できた。
 政権交代で政務三役が直接かかわる検討チームが乱立しているが、非公開で議事録は作成されない場合が多い。業界などからの陳情は党が受け付け、取りまとめ内容は政治色が濃くなっている。
 法令に基づかない大臣の私的諮問機関は、国民各層の意見を吸い上げるという審議会の「建前」はあまり考慮されず、より人選に偏りがみられるのが実態だ。 (『北海道新聞』2010年2月14日付朝刊4面)

 「政権交代」で個人的に参っているのがこの問題。「審議会」そのものは実質的には官僚機構の意思決定の追認機関化してはいたが、資料が公開されていたので、検証も批判も可能だったし、そこから官僚の意思決定プロセスを読み取ることもできた。本店ブログを書いてた頃は、審議会に出た資料を使って記事を書いたこともしばしばあったくらいだった。ところが現在では、意味不明な「チーム」ばかりが乱立し、しかも中で何をやっているのかがわからない。「人選の偏り」も、厚労省ナショナルミニマム研のように反ネオリベ派で固めるのなら一向に構わないが、たいていは相変わらず財界の息のかかった連中ばかり。情報公開と言っても、「仕分け」のような暴力的なポピュリズム手法ばかり目立っで、肝心なことが行われていない。