労組が特定政党と結びつくことの功罪

http://www.masrescue9.jp/worker/totsuka.html

 労働組合が腐敗する主な原因に「一党支持」があるのではないだろうか。労働組合が政治活動を行うことは大事な役目だが、その本来の意義を忘れ、政党と癒着し堕落した結果が「一党支持」なのだ。その行き着いた先が今回のような犯罪行為。そればかりでなく、組合費から裏金をつくるという財政操作で組合員も欺くという二重の間違いを犯すことにもなっているのだ。
 労働組合と政党の関係について、もう20年前になるが、ドイツ統一直前の東独印刷製紙労組幹部の話す次のような言葉がおれには印象的だった。「(組合は多くの先進的な要求を勝ち取ったが)問題はそれらの要求を実現する手段として、ドイツ社会主義統一党に依拠し、癒着したことである。その方が要求の実現が早く、確実であった。しかし、今考えれば労働組合は、組合員の意思を結集した、組合としての運動で要求の実現をはかるというのが本筋だった」

 以前、ある全労連系の労組員から次のような話を聞いた。労組とは本来さまざまな思想・信条の人々が労働者としての権利を追求するという1点において集結すべきで、そこには社会党支持者も民社党支持者も共産党支持者ももちろん、自民党公明党の支持者がいてもいいはずである。組織として特定政党のみを推薦・支持したり、あまつさえ政党の下部組織と化するのは個々の組合員の自由を侵害し、労組の敷居を高くしていると。一理あると思った。