「秋篠宮と話し合う」

 天皇陛下が即位二十年会見で、将来の皇室のあり方について「皇太子とそれを支える秋篠宮の考えが尊重されることが重要」と述べたことには、「真剣に受け止めております。秋篠宮とはさまざまな事柄について話し合う機会がありますし、今後ともそのような機会を持つことになると思います」と語った。
 (中略)
 今後の活動について「新たな公務に対する社会の要請は出てくると思います」と展望。水の問題や環境問題など関心の深い分野に限らずに取り組んでいく姿勢を示した。 (東京新聞 2010/02/23)

 今上が皇太子の時には「常陸宮と話し合う」云々なんてことはなかったはずで、現在の皇室において直系の皇位継承予定者を用意できなかった皇太子が、順当に行けば後に皇位を継承することになる秋篠宮(家)に配慮せざるをえないことが窺える。
 昨年の天皇習近平会見問題への反応にみられるように、最近は護憲派ですらわかってないようだが、天皇の国事行為を除く「公務」は政治的には「君主の権力行使」である。反憲法勢力が騒いだような「政治利用」なんて生易しいものではない。ましてや天皇ではない皇族の公的行動は法的根拠を持たない。「新たな公務」などと皇族の側が言いだすのは立憲主義にとって危険な兆候だ。